リフォーム産業新聞 7月12日号掲載
HPと口コミにより半年先まで予約埋まる品質とこだわりの発信で相見積もり減少
リフォーム産業新聞 7月12日号掲載
HPと口コミにより半年先まで予約埋まる品質とこだわりの発信で相見積もり減少
有限会社ぺんき屋美装
代表取締役社長 多田勇一 氏
昨年5月末の緊急事態宣言明けに、一気に翌年の春先まで予約が殺到したペンキ屋がある。東京・町田市の「ぺんき屋美装」だ。
いわゆる「町のペンキ屋」でありながら、集客のメインはHPとGoogleの口コミ。相見積もりを取らない、指名客が多いのも特徴だ。エンドユーザーを惹きつける集客の仕掛けとは。多田勇一社長に聞いた。
口コミ評価はオール星5
─コロナの影響もなかったそうですね。
昨年4月~5月の緊急事態宣言下では完全に受注がストップしましたが、宣言解除後に堰を切ったように受注が集中しました。
職人の数が4~5人と決して多くないという背景もありますが、2021年春まで一気に予定が埋まったので、結果的に影響はなかったです。
─問い合わせはHP経由が中心ですか。
チラシの配布や訪問営業をまったくしていないので、そうなりますね。
インターネット経由のお客様は当然その他の会社と比較検討されているはずなのですが、ここ1年くらいは「金額じゃない」と言って、相見積もりを取られない方も増えました。
─御社を指名される理由はどういったところにあるのでしょう。
HPに掲載されているGoogleの口コミやお客様の声、職人のこだわりなどを見られて「安心して任せられると思った」と言ってくださいます。
Googleの口コミ集めやHPとのリンクも、WEBマーケティングを委託しているシップさんのネット戦略のひとつとして行っていますが、現在51件ある星評価はありがたいことにオール5。
「ここまでやってくれるとは思わなかった」といった声が多く、長文レビューに併せて施工写真を掲載してくれる方も少なくないので、口コミの信頼度がより増しているようです。
─職人のこだわり、というのはどういった形で掲載しているのですか。
5メインで動いてくれている職人それぞれの品質へのこだわりやパーソナリティをコンテンツ化して紹介しています。
うちの強みは、何といっても職人たちの技術と想い。
工事品質と顧客満足を第一に考え、たとえ想定外のことが起こったとしても、お約束した通りの仕上がりになるまで尽力する人ばかりです。
そうした魅力が伝わるページ作りにこだわりました。
発信は大きな武器になる
─職人さんと顧客の関係性が良いのでしょうね。
うちの職人は毎日必ず、お客様に作業内容を伝えるんです。
イレギュラーも包み隠さず伝えますし、その対策も徹底している。
一度、塗料をやたらと吸い込んでしまう外壁材に当たったときも、お約束した仕上がりになるまで、何度も重ね塗りをして対応していました。
そうしたケースでの追加料金はいただかない主義なので会社としては赤字でしたが、その仕事ぶりが僕の誇りでもあります。
「ぺんき屋美装は一つのブランドだ」と認識してくれていて、他に傷んでいるところがあればサービスで塗装するなど、とことん顧客目線です。
─どうすれば、そんな職人たちが集まるのですか?
スカウトした人間もいますが、HPを見て来てくれた人もいます。実は僕自身が、もともと妥協できないタイプの職人でして(笑)。
そのこだわりをブログ等で発信し続けていたら、それに共感して連絡をくれました。
─発信が、職人との縁もつないだのですね。
そうですね。想い、施工品質、顧客満足がリンクしていれば、発信は大きな武器になります。
そこで今は、職人の人柄や想いを伝えられる動画制作を考えています。
「こういう人が施工します」としっかり伝えることが、お客様のさらなる安心につながると思うので。
当社の売上は年間6000万円強ですが、今後も品質を確保するため、現在の規模感を維持しながら、お客様や職人たちの満足を追求していきたいと思います。
─最後に同業者へのアドバイスなどありますか?
独立して1人親方だったころ、先輩に言われ実践していたことがあります。
それは、仕事が無くて苦しくても安易な下請け仕事をするなというものでした。
インターネットの普及により安定した集客へとシフトできたように思いますが、1人親方の脱却はエンドユーザーが塗装に何を期待されていて、自分は何を提供できるかをつきつめ、とことん貫くことだと思います。
シップさんはそんな思いを受け止めて実現に向け一緒に進んでいただく良きパートナーです。
一人親方や下請けから脱却しようと思うなら、まずはその道のスペシャリスト例えばシップさんに相談するのが近道だと思います。
※当新聞記事は掲載許可を取った上で掲載を行っております。