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【セミナーレポート】シップオンラインセミナー6月

シップオンラインセミナー6月

このままでは職人がいなくなる

現在、建設業界に留まらず、日本全体の課題となっている職人をはじめとする現場実務者の人材不足。
また、コロナ禍以降増加している不登校児も大きな問題となっています。 そして、それら2つの社会課題に対する解決案として、「職人の社会的地位の向上」学歴社会からドロップアウトした若者たちの才能を開花させ誇りと生きがいを
持てる環境を整えることを目指し、「マイスター高等学院」を開校。
これらの取り組みへの経緯と地域社会や教育機関と密に連携する「社会課題解決型モデル」の中身とはいったいどういったものなのか、高橋剛志氏が語ります。

 

概要

  • タイトル:このままでは職人がいなくなる
  • 実施日:2023年6月26日(月)

プログラム

  • 課題×課題=問題解決
  • 「職人不足問題、問題解決を討論する」
  • 質疑応答&アンケート

出演者

  • 株式会社四方継 代表取締役 高橋剛志氏
  • 株式会社OKUTA 非常勤取締役 Office代表 山本拓己氏
  • スタイルオブ東京 代表取締役 藤木 賀子氏
  • 株式会社シップ 代表取締役 小松 信幸

〇時代の大転換期への再認識

・人口減少に歯止めは効かない


・建設業界は過当競争時代に突入


・市場は資本力の強い大手による寡占化


・Z世代の社会は人手不足、職人不足が加速


・職人なくして売上なし


・建設業界の破綻は国家インフラの壊滅


 

〇課題×課題=問題解決

企業による経済利益活動と社会的価値の創出(=社会課題の解決)を両立させることの重要性


・不登校の児童生徒は30年にわたり増加傾向


・学歴マイノリティの現状


・人材不足

 

日本全体の課題となっている職人をはじめとする現場実務者の人材不足と、コロナ禍以降増加している不登校児問題、学歴マイノリティ、 これらの社会課題に対する解決案として「職人の社会的地位の向上」学歴社会からドロップアウトした若者たちの才能を開花させ誇りと生きがいを持てる環境を整えることを目指し、 「マイスター高等学院」を開校。
→建築の仕事を通して社会の問題を改善していく


〇マイスター高等学院の教育の考え方

・誰もがもつ才能を信じる


・幅広い人材を受け入れる


・目的意識を持つ教育と体制整備


・生き辛さを抱える若者に生きがいを提供
→志教育×技能×キャリアを提供


志(目的)を明確にして主体性・協調性を育むことで、モノづくりの世界で安心して未来を標榜し活躍できる人材を育てることを目指している。 また、受け入れ側(事業所)の体制作りのサポートを行い、入学時にキャリアステップや賃金の提示をすることで、自身の具体的なキャリアを描くことができる。 さらに、内定先の会社は、認定試験を受け第三者に貢献性が高い会社と評価された会社のため、未来に希望をもって働ける職場環境を確保する体制を構築している。


 

〇まとめ

今まで通りのビジネスモデル、今まで通りの採用、人材育成をしていても職人はいなくなってしまうので、根本的なあり方から見直しビジネスモデルを組み換え、人材育成をどうせるのか、子供達に選択される業界になるためにはどうあるべきかを見直さなければ職人不足の問題は解決しない。


 

「職人不足問題、問題解決を討論する」


山本拓巳氏:今まで、職人育成の学校は既にありましたが、社会的な背景を踏まえ、先のことまで責任をもって人材を育成する形態の学校は新しいと感じました。


藤木賀子氏:昔は、親方が哲学や精神を教え、現場で教育もしていましたが、給料の低下や教える時間がないなどの労働環境の悪化によってそれができなくなってしまったため、高橋さんの教育形態は、昔できなかったものを現代風にしているのかなと感じました。


高橋剛志氏:棟梁性を会社組織が担い、キャリアパスに落とし込む、昔にもどしているのも戻していますが、新しい時代の流れと昔の古き良きを一緒にさせた形態となっています。


山本拓巳氏:あともう一つ問題なのは、どう若者にアピールをしてモノづくりに興味をもってもらうかですね。


小松信幸氏:若者が職人になりたいとかんじる要素の1つとして、給与の面が大きいと思いますが、高橋さんは給与についてはどう考えていますか?


高橋剛志氏:入社前から将来のキャリアパス(どのくらい給料がもらえるのか)が明確になっており、それに対する教育システムが整っていることが、いい業種として認めてもらえることに繋がると思います。時間をかけて育成をし、目標を設定しクリアすれば給与が上がるというシステム、キャリアパスをしっかりと提示してあげることが大切ですね。



山本拓巳氏:若者に対して選択肢が持てること、夢が持てることに関してはどう伝えていますか?


高橋剛志氏:それぞれの地域にそれぞれの事業所が学校の講師として中学校や高校に若い大工がワークショップに行っています。体験授業を通し、職人のキャリアの歩み方をしっかりと共有させられるようにしています。



小松信幸氏:最後になにかお一人ずつ、感想をお願いします


藤木賀子氏:生涯やりたい仕事としてモノづくりの仕事が認められてほしいですね。また、今は多様性の時代なので、どんな方でも働けるような現場になるといいですね。


山本拓巳氏:もう一度モノづくりの人たちがリスペクトされる、そんな価値観に変えていかないといけませんね。そのためには、業界自体が変わっていかなければならないですね。