今回は住宅リフォーム業界でWEB広告を行う場合のポイントを紹介します。
WEB広告にはリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告、ネイティブ広告等多様の種類があって、それぞれ一般論やセオリーがあります。
例えば、他社のリスティング広告の記事を見ると「月の予算は最低300,000円からが必須です」や「CPA5,000円で反響を取る秘訣」 SNS広告を見ると「毎週〇〇件のコンバージョンを集めて運用を最適化しましょう」等。
それはそれで正しいことだったりしますが、業界ごとに成果に対する変数が有り、住宅リフォーム業界の場合は狭小商圏・高単価の売上・検討までの時間が長い等の条件があります。
これを無視して、一般論のみを踏まえて「自動化だ!」「CPA10,000円だ!」「予算300,000円だ!」「データ収集だ!」と運用を開始ししてしまうと勝手が違うので思った運用にならないことが想像できます。
今回は、住宅リフォーム業界でWEBで広告をする上での基本の考え方を書き連ねました。
1.基本の考え方はZMOT
※Winning the Zero Moment of Truth ebookより引用。
ZMOTという言葉をご存知でしょうか?
Googleが提唱した「消費者が購買行動を決める瞬間」に関するメンタルモデルのことで、 インターネットを使った情報収集が一般的になったことによって、例えばリフォーム業界だとお問い合わせの前に「見たことがある」「口コミが良い」「WEBサイトを充実している」等、お問い合わせする理由を探すタイミングが発生しています。
このタイミングを意識した運用がリフォーム業界でWEBで広告を運用する場合には重要です。
2.住宅リフォーム業のWEB広告市場の把握
では、具体的にどのようにZMOTをリフォーム業界の広告運用に当てはめるか?ですがまずは市場から把握していきます。
2020年の世界的な新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大の影響により、日本の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)となり、秋以降に回復の兆しが見られたものの前年を大きく下回る結果になりました。
このような状況下で、「インターネット広告費」は新型コロナの影響を受けたものの成長を続け、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模、総広告費全体の36.2%の市場となりました。
ここでのポイントは「インターネット広告」市場が広がったということは、「巣ごもり需要」の獲得を狙いオンライン市場に参入する企業が増え、
消費者にとっては比較検討先の選択肢が増え、企業にとっては競合が増えていること意味します。
3.昔は良かった
昔は良かった。が何を指しているのかというと、リスティング広告を対した企画無しで出稿するだけで比較的簡単に反響を得ることが出来ていました。
なので、ZMOTを考える必要がほぼなかったのです。
SHIPでも2010年頃に不明瞭だったリフォーム価格という消費者の不安に対して、「外壁塗装〇〇円」というパッケージのLPと広告企画を販売、運用を行っていて、CPA10,000円くらいでバンバンお問い合わせが来ていました。
ただ、今はそんな簡単な話では有りません。
来ていたのは単にまだリスティング広告の市場が成熟しておらず競合がほとんどいなかっただけで、お客様の比較検討の数が今と比べると圧倒的に少なかった。
それが年を追うごとに「リスティング広告は美味しい」というのが気づかれていって、競合が増えることでCPCがあがり、選択肢も増え反響が取りづらくなってきました。
4.「知らない会社」から脱却する
このような状況下で想定できる影響としては、消費者にとって比較検討先の選択肢が増えることで、真っ先に検討の候補からなくなるのは「知らない会社」
「比較・検討」をしている消費者だけに的を絞り比較検討を勝ち抜いていくのはのは、市場の飽和を考えると非常にリスキーです。
ZMOTの考え方にもあるように勝負はもっと前の段階から始まっていて、「よし、いい商品ができたから検索広告で今検討してる人から反響を取ろう」という考え方だけでは、比較検討の競争から落ちてしまいます。
なので重要になってくるのは安心感が有る「知っている会社」にお願いしたくなるという心理で、消費者が比較検討に入る前の潜在層の段階で認知してもらうための活動が今後より重要になってきます。
以上を踏まえるのはリフォーム業界におけるWEB広告とはただの反響を取っていく手段ではなくて、
企業が普段蓄積している基本的な価値(認知度、実績、口コミ、価格力等)を拡張させていく手段。という認識が正しいです
5.結論
昨今だと「オンラインシフト」という言葉がありますが、「時代に合わせてリアル販促を止めてWEBのみで集客をする」と考えている会社様もいらっしゃるかと思います。
ただ、それで成功する会社様は一握りで、よっぽど価格競争力があるか、競合が少ない市場なのかのどっちかです。
なので「オンラインシフト」を考えていてWEB広告の活用を考えている方は、「会社の基本の価値を拡張する」という考えのもと、
普段行っている認知活動や、チラシ販促。ここ効率化。という観点でWEB広告(同様にHP)の活用を進めていただくのおすすめします。
今回vol.1と記載しているので今後はvol.2、vol.3と具体的な施策についてもまとめていく予定です。